「大学生の休学ワーホリはやめたほうがいい」ってほんと?|経験者が巷の言説を検証してみた。
18歳から30歳であれば誰でも申請できるワーキングホリデービザ。ワーホリをされる人の多数派を占めるのは一度就職してから仕事を辞めて海外に出るという社会人ですが、中には大学を休学してワーホリにチャレンジする学生もいます。
しかし、ネットなどの情報では「大学生はワーホリやめとけ!」といったものも多く、これからのワーキングホリデーを検討している大学生は悩んでしまうのではないでしょうか。
そこで今回は、実際に大学3年修了と同時にワーキングホリデーに挑戦した私みおりんが、大学生が休学してワーホリをするメリット・デメリットを解説したいと思います。
▶︎ワーホリした大学生が就活を有利に進める方法はこちらにまとめました。
大学生の休学ワーホリは就活に不利じゃない!|私が就活解禁前に8社から内定をもらった方法
大学生はワーキングホリデーをしないほうがいいの?
巷でまことしやかにささやかれる、「大学生はワーキングホリデーをするべきではない」説。果たしてこれは本当なのでしょうか?
ちょっとその前に、わたしのプロフィールを少しだけお話しさせてください。
筆者みおりん
小学校時代から「大学に入ったら留学する!」と思いつづけていたが、様々な理由から交換留学や私費の語学留学ではなくワーホリで渡航することに。大学3年修了の3月にカナダに飛び、現地で7カ月半ほど過ごす。
カナダでした主な仕事は、留学エージェントのコーディネーターと現地の観光地にあるカフェのスタッフ。他にもSkype家庭教師や語学学校のアシスタントなどを経験。
同じ年の10月、ビザ自体はあと5カ月近く残っていたが就職活動を見越して帰国。次の4月から大学4年生として復学(予定)。※執筆現在3月
わたしが留学じゃなくてワーホリにした理由はこちらの記事に書いてあるので、よかったら暇つぶしにでも読んでみてください笑
では本題に戻って、大学生がワーホリをするべきでないと言われてしまう理由は何なんでしょうか?
これは、大きく3つの理由に集約されます。
- 「休学ワーホリは就活に不利になる」から
- 「大学留学の方がワーホリより好印象」だから
- 「ワーホリしても英語力はつかない」から
では、これらは本当なのか、経験者であるところのみおりんが考えてみます。
言説①「休学ワーホリは就活に不利になる」のか?
まず、いちばん気になるワーホリ後の就活について。
わたしは2018年3月現在、バリバリの就活生です。が、結論として言ってしまうと、
休学もワーホリもまったく不利にはなってないよ。
もちろん、そりゃ東大だからでしょとか、まだ就職先確定させるまでわかんないでしょとか、いろいろ反論はあると思います。
ですが、まず学歴に関して、
わたしは人事の方や経営者の方とたくさんお話したりお食事に行かせたりしていただきましたが、学歴で人を見ている企業って実際どんどん減っているんじゃないのかなというのが肌での感覚です。
そしてわたしの就活についてですが、ワーホリから帰国して半月で内定を1ついただき、4ヶ月半の就職活動の間に大手を含む8社から内定をいただきました。わたしとしては、これでもワーホリ不利って言いますか!という感覚です。
また、これは自身でもびっくりしたんですが、わたしの場合はむしろワーホリが就活に有利に働きました。
どうやら、これから就活本番だ!ってタイミングで休学をして海外で働いてしまった、というのは企業の方からするとおもしろい経歴に映るらしく、プロフィールだけで興味を持っていただけることが多かったのです。所属が東大の法学部だというのもあり、「そのまま行けばスムーズに官僚や法曹になれただろうに、なんで?」と訊かれることがよくありました。
▶︎詳しい体験談はこちらにまとめました。
それでも不安な人は、この3つのサービスに登録しておきましょう!
とはいえ帰国後の就活というのはタイムラグもある感じがして不安ですよね😥
わたしが就活に成功できた最大の理由として、「スカウト型就活サービスをフル活用したから」というものが挙げられます。
スカウト型就活とは、学生がフォーマットに従って自分のプロフィールを登録しておくと、それを読んだ企業人事の方からスカウトが届くというもの。中小企業はもちろん、サービスによっては大手の企業からも自分だけに向けた「〇〇さんのプロフィールの〜というところが魅力的でした。ぜひうちの選考に来てください!」というオファーが来るのです。
近年リクナビやマイナビだけでなく、こうしたスカウト系サービスがかなり勢力を伸ばしてきています。海外にいる間にプロフィールをきちんと登録しておくと、Skypeなどで海外にいながらにして面談をしてもらえたり、帰国後の面談や選考の日程を押さえてもらえたりといったメリットがあります。個人的には本当におすすめ。ぜひ登録しておいてください。
①キミスカ
キミスカは、プロフィールを登録しておくことでたくさんの企業からスカウトをもらうことのできる就活サービスです。スカウトにいくつかレベルがあり、いちばんスカウトの届きやすいサービスかも。「確実にスカウトをもらいたい!」という人にはぜひ登録しておいていただきたいサイトです。
ちなみにこちらの運営をしている会社にわたしは長期的にお世話になったので、ちゃんとした素敵な会社であることも保証いたします(●ˊᵕˋ●)笑
▶︎キミスカ
②ニクリーチ
ニクリーチは、ビズリーチの提供する「お肉を食べながら人事と話せる」スカウト型就活サービスです。比較的簡単なプロフィールを登録するだけで、ランチつきの面談や選考にスカウトされることがしばしば。
「スカウトが届かなくても、お肉を食べれるイベントを開催するため、誰でもお肉をゲットできるチャンスがある!」って、なんだかすごいですよね笑 タダメシをいただきながら企業のお話を聞くことができるというおもしろい内容ですが、しっかりしたサービスです。わたしもよく使っていました。
③オファーボックス
登録企業数のとにかく多いオファーボックスもおすすめ!
アプリが使いやすいのもうれしいポイント。プロフィールは詳しく書きましょう◎
わたしが就活前に参考にしていた本
わたしは就活がとにかく心配だったので、ワーホリでカナダ現地にいるときにKindleで何冊かの就活本を読んでいました。
おすすめなのでご紹介します。
↑この本はいちばんおすすめ。こういうところを磨けばいいのか!というのがよくわかり、不安がかなり軽減されました。
↑これもよかった。自己分析から自己アピールにつなげるやり方がよくわかります。
また、間違った自己分析のリアルな実例も載っているので参考になりました。
↑自分がどんな業界や職種を目指したらいいのかわからなくて、お仕事カタログといったイメージで購入しました(わたしはKindleで読んだけど、できれば紙の本のほうがおすすめです)。
業界や職種を俯瞰できるので、まだなりたいものが定まっていない人はぜひ読んでください。
言説②「大学留学のほうがワーホリより好印象」なのか?
次によく言われることが、「ワーホリするくらいなら大学留学しろ」的な言説。
これは完全に、海外に行く目的とそこでなにをするのかという本人の問題だと思います。
いまどき留学をするのは珍しいことではありません。留学そのものが就活や人生においてアピールになることはないし、それはワーホリも同じです。
結局問われるのは、「なぜ留学またはワーホリに行こうと思い、実際現地ではなにを成し遂げなにを得たのか」ということ。目的と得た経験がちゃんとしていれば、大学留学もワーホリもどちらが好印象とか有利ということはありません。
これは就活中のわたしがひしひしと感じていることです。。
言説③「ワーホリしても英語力はつかない」のか?
最後に、みんな気になる(わたしも昔気になっていた)「ワーホリで英語力はつくのか」問題。
別記事「ワーキングホリデーでTOEICのスコアは伸びるのか?|ワーホリで伸びる英語力とは」でも紹介していますが、ここでは大学生とワーホリと英語という面から考えてみます。
結論から言うと、大学生がワーホリして英語力をつけられるかどうかは、その人次第です。当たり前のことで申し訳ないですが、本当にこれしか言えないと思うんです。
というのは、ワーホリ、特に日本人に人気の国やエリアでのワーホリは、英語力がなくても暮らそうと思えば余裕で暮らせてしまいます。そこで英語力をつけようというのは、本人のがんばり次第としか言えないのです。
ただ、ひとつ言えることがあるとすると、わたしは英語の勉強という意味では、社会人より大学生ワーホリのほうが有利だと考えています。
なぜなら、一般的に言って
- 社会人は普段英語を使う機会も、英語を勉強する時間も少ない
- 大学生は授業で普段から英語の授業があったり、英語の勉強をする時間をとることができる
ということが考えられるからです。
もちろんあくまで一般論であって、それこそその人次第ではあるのですが😥参考程度にしていただけたらうれしいです。
▶︎こちらもよければぜひ😈
大学休学ワーホリの本当のメリット・デメリット
では、ほんとのところ、大学生の休学ワーホリのメリットやデメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
わたしが実感しているメリットとデメリットをお話ししたいと思います。
大学生の休学ワーホリのメリット
まずはメリットから。わたしが「大学生のうちにワーホリに行ってよかった!」と思っているポイントです☺️
仕事を辞める必要がない
社会人ワーホリの方がいちばんネックにされていたのが、渡航前にお仕事をやめることと帰国後の転職活動についてでした。わたしは経験者ではないので偉そうなことは言えませんが、やはり何年か勤めた会社を辞めることには覚悟がいると思いますし、帰国してから転職先が見つかるかどうかの不安も大きいのではないかと思います。
この点、大学を休学してワーホリに行く場合は退社の精神的負担はありません。一方でもちろん、就職に関する不安を持っている学生は多いとは思いますが😥
社会に出る前に就業経験を積める
社会人になる前に就業経験を積むことができ、他の学生より一歩前に出ることができるのも休学ワーホリのメリットです。
ただし、これは勤め先と自分の意識に大きく左右されるものでもあります。たとえば現地の日本食レストラン(ジャパレス)で皿洗いだけしてました、では日本の飲食バイトと何ら変わりありません。就業経験をしてきましたというためには、それ相応の職場を探したり、インターンシップに挑戦したりといった努力が必要になります。
逆に、これがクリアできると就職活動でのアピールにもなり、ワーホリが不利ではなく有利になるポイントとなります。
英語力(語学力)を上げることができる
こちらは先ほどの内容と重なりますが、普段から英語の勉強をしていた学生であれば、学んでいた英語を活かしてより効率的に・より早く英語を上達させることができる可能性が高いでしょう。
また、一定以上のレベルで英語力を獲得することができれば、就職活動で有利になることもあります。(必ずしもじゃないんですけどね。。)
就活前に視野が広がる
個人的にはこれがいちばん大きいのかなと思っています。
というのも、わたしが大学4年生になる前に海外に行くことにこだわったのも、これが理由だったからです。わたしは、日本だけでなく他の国や他の国での働き方というのをリアルに知った上で、将来の進路を考えたいという思いがありました。
実際、働いたのはカナダだけでも、働くということに対して以前より広い視野を持つことができたと思っています。そういう意味では、就活をするより前にワーホリに行くのは個人的にとてもおすすめです。
大学生の休学ワーホリのデメリット
一方で、デメリットとなることも大学休学ワーホリにはもちろんあると思います。ここでは、わたしが実際に感じたデメリットをご紹介します。
社会に出るのが1年遅れる
当然のことですが、ワーホリには最低1年の休学が必要であるため、ストレートで卒業するより1年社会人デビューが遅れます。これをビハインドと考える人には痛手かもしれません。
ただ、これに関してはわたし自身「1年遅れるのイヤだな…」とすごく思っていたんですが、いままでお会いした企業の方全員が「そんなの誤差だから、在学中にいろいろ経験しているほうがよっぽどいい」とおっしゃっていました。わたしもそれで考え方が変わったという部分があります。
注意しないと「ただ1年遊んできた人」になる
ワーホリは留学以上に「ホリデー」のイメージが強く、人によっては「ただ遊んできたんでしょ?」と見る場合もあるでしょう。
実際、日本語だけを使って楽なアルバイトをし、貯まったお金で旅行してきました、みたいなワーホリではそう見られてもしかたありません。
わざわざ大学を休学してワーホリに行くと決めたら、ワーホリに行く目的、現地ですること、をきちんと明確にして達成するべきでしょう。ここがブレると本当に事故ります。
現地で選べる仕事が限られる
これは現地での仕事探しのときに感じたネックです。
国によっても違いがあると思いますが、たとえばカナダでは飲食や労働系ではなくオフィス系の仕事を探そうとすると、「学部卒以上」「社会人経験●年以上」といった条件が付されていることも多いんです。
こういうとき、まだ大学を出ていないわたしはとても不利になってしまいました。とはいえ、そこを押し切って採用していただいたのが現地で働いていた留学エージェントなのですが。。(笑)要は、最後は努力としつこさの勝負です。
まとめ
「大学生が休学してワーキングホリデーに行くのはやめたほうがいいのか?」ということについて、経験者の視点から考えてきました。
大学生のワーホリのメリット・デメリットを忖度(!)なしでご紹介してきたつもりですが、結局は「本人次第」の部分が強いのが事実です。
わたし自身、ワーホリに行く前は不安がいっぱいでした。もともと休学にとても抵抗があったし、渡航してからも「就活に不利になるのかな…」と心配でした。
しかし、実際いまとなってみると、このタイミングでワーホリに挑戦して本当によかったと思っています。逆にあれがなかったら得られていなかった大切なものがたくさんあります。
わたしはワーホリを美化するつもりは全然ありません。ですが、もし行くと決めたなら、「行ってよかった」と言えるように努力することは可能だということです。わたしがそうだったから。
▼こちらにもワーホリに行ってよかったことをまとめていますので参考にしていただければと思います。
▼おすすめ本のおさらい